第五回本公演 無言劇
であったこと
脚本・演出:私道かぴ
この土地であったこと、
いきものがであったこと
安住の地、初の無言劇
共作劇、音楽劇と毎回新たなジャンルに挑戦する「安住の地」がこの度、初の無言劇に取り組みます。
【企画のことば】
この度、初めて「無言劇」に挑戦することになった。ある脚本を書いていた時にふと「そもそも会話を完全になくしたらどうなるんだろう?」と考えたのがキッカケだった。
「むしろそっちの方がおもしろいのでは……?」そう思うと興奮してきた。
そしてあれよあれよと言う間に稽古が始まった。
しかし、会話を書くのが好きな私にとって、無言劇と言うのは強みを封印することだった。
言葉なしで、見続けられるもの...。
結局のところ、それは「身体」しかない。
役者たちに、言葉なしの身体で雄弁に語ってもらうしかないのだ。
そこで、まずはひたすら観察することにした。
街の、なるべく人がたくさん通る場所で、行き交う身体をひたすら見る、ということを始めてみた。
すると、ものすごくおもしろかったのだ。
腰が傾いたおばあさん。今は駅の改札を歩いているけど、昔は田んぼを歩いて収穫していたのだろうか。
がたいのいいサラリーマンは、よく見ると柔道耳だ。念入りに練習していたのだろう。もしかしたら今もやっているのかもしれない。
右に重心を乗せて歩いているOLは、重い荷物をいつも右側にかける癖があるんだろう。
ラフな服装のお兄さんは、デザイナーだろうか。猫背なので、デスクワーカーかもしれない。
身体はそのまんま、「その人がどういう生き方をしてきたか」を物語っていた。
おもしろい。
役者の力を借りて、身体で街の人々の声を語れるかもしれない。
【あらすじ】
あなたがいま、その足の裏で感じるもの。
靴下のごわごわ。靴の底のつるつる。その下にある、硬いコンクリートのゴツゴツ。
そのさらに下に、感じるもの。
上部にぎゅっと押された、つめたい土。木々の根。かつての陶器の破片、生活の跡。
さらにうんと深くに、感じるもの。
質の変化した土。いくつかの生き物たち。ほそぼそとした草木に、細かい石。
生きているもの、死んでいるもの、ぜんぶ。
私たちの下 であったこと。
いきものが であったこと。
キャスト
中村彩乃
森脇康貴
日下七海
にさわまほ
山下裕英
武田暢輝
雛野あき
沢栁優大
吟醸ともよ
スタッフ
舞台監督:玉井秀和
舞台美術:森脇康貴
セノグラフィー・音響・宣伝美術:岡本昌也/日下七海
衣装:大平順子/山井ひなた
ヘアメイク:篁怜
物販:日下七海/大平順子
制作:にさわまほ/武田暢輝
写真:中谷利明
主催:安住の地
京都芸術センター制作支援事業
公演日程
▼公演ダイジェスト映像
▼公演日程
2020年3月5日(木)- 8日(日)
5日(木)14:30/17:30
6日(金)14:00/17:00
7日(土)14:00/17:00
8日(日)14:00
※全7ステージ予定
会場
GALLERY maronie(阪急京都河原町駅から徒歩5分)
詳細・アクセスはこちら
料金
【前売】
一般:2500円
U-23:2000円
【当日】
各種料金+500円
◎チケットピースが利用できます【当日券のみ】
◎チケットピースとは?
安住の地によるチケット支援制度です。一口1000円の「チケットピース」を購入して誰かの観劇料金を支援したり、支援を受けたりすることが可能です。利用希望のお客様は清算時にお申しつけください。